十八親和銀行合併5年、店舗45%削減の真意とは
2020年10月1日、長崎県内の2大地銀だった旧十八銀行と旧親和銀行が合併し、十八親和銀行が誕生した。ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)の完全子会社として、県内最大の金融機関となった同銀行は、2025年10月に合併から5年を迎えた。山川信彦頭取の下で店舗統廃合を進め、営業拠点数を大幅に削減しながら財務基盤を強化。一方で長崎経済の人口減少や資金需要の伸び悩みという構造的な課題も浮き彫りになっている。
2026年現在、同行は県内企業の約8割をメインバンクとして支える存在だ。山川頭取が語る「地域課題の解決にリスクを取るゆとり」と、ネット上で交わされる利用者の声や現場の評価を踏まえ、合併の経緯から最新業績、今後の展望までを徹底的にまとめる。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:合併5年で営業拠点を約45%削減し、コア業務純益は90億円から300億円超へと財務が大幅強化された。
- 要点2:山川信彦頭取は「離島・半島の多い長崎では支店過剰だった」と説明。効率化で生まれた余力を地域共創に振り向ける方針を示す。
- 要点3:県内企業シェア約8割を維持する一方、長崎経済の衰退に歯止めがかからず、2026年以降もデジタルシフトと対面支援の両立が課題となる。
【2026年最新】十八親和銀行が店舗を大幅削減した本当の理由
合併当初、旧両行の営業拠点は合わせて約185カ所あった。これを2025年12月末までに約45%減となる見通しまで圧縮したのが、十八親和銀行の最大の特徴だ。報道各社の取材や公式資料によると、長崎県は離島や半島が多く、両行が隣接する店舗を多数保有していた。顧客利便性を損なわない「車で10分圏内」を基準に、店舗内店舗方式で統合を進めた。
山川信彦頭取は日経新聞などのインタビューで「離島や半島が多い長崎は支店や行員が過剰だった」と率直に語っている。人員も550人以上削減され、人でなくても可能な取引はATMやネットバンキング、スマホアプリへシフト。浮いた経営資源を地域課題解決に再配置する狙いだった。
結果として、コア業務純益は2021年3月期の約90億円から2025年3月期には213億円へ増加。2026年3月期にはさらに306億円まで伸び、5期連続増益を記録した。経常収益も大きく拡大し、外部格付けでも高い評価を得ている。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 営業拠点数の変化 | 合併時約185カ所→約103〜108カ所(約45%減) | 地銀再編で20〜30%減が目安 | 大胆な効率化。顧客利便性とのバランスが鍵 |
| コア業務純益 | 約90億円(21/3期)→306億円(26/3期) | 地銀平均は緩やかな回復傾向 | 合併シナジーが明確に数字に表れた好例 |
| 県内企業メインバンクシェア | 約8割 | 一県一行でも5〜6割程度が多い | 寡占に近いが、地域貢献の責任も重い |
| 人員削減規模 | 550人以上 | 再編同行で数百人規模が一般的 | 非対面シフトとのセットで実現 |

合併の経緯とふくおかフィナンシャルグループの役割
旧親和銀行は2007年に、旧十八銀行は2019年にそれぞれFFG傘下に入った。長年のライバル関係にありながら、低金利による利ざや縮小と長崎の人口減少を背景に「単独では将来の店舗網維持が困難」と判断したのがきっかけだ。公正取引委員会の審査が長期化し、一時は統合時期が未定となるなど難航したが、債権譲渡でシェアを調整し、2020年10月1日に実現した。
山川頭取は旧親和銀行出身で、2022年4月に2代目頭取に就任した。合併前から両行の営業責任者を兼務し、融和に尽力した人物として評価されている。公の場では「10年後、20年後を見据えて健全な経営基盤が必要だった」と繰り返し語っており、短期的な収益より中長期の地域支えを優先した決断だったことがうかがえる。
【実態検証】利用者の生の声とネットの反応
ネット上の評判を見ると、インターネットバンキングやアプリの使いやすさを評価する声が目立つ。「店舗に行かなくても振込や残高確認ができる」「指紋認証が便利」といった声がオリコンや知恵袋系の投稿で散見される。一方で「店舗が減って近くの支店がなくなった」「窓口時間が限られる」といった不便を指摘する意見も少なくない。
社員口コミでは「長崎県内では圧倒的なシェアと信用がある」「ノルマが強い」といった両面が語られる。地元密着の強みを認めつつ、営業色の強さや年功序列の名残を指摘する投稿も見られる。総じて「県内で最も安心できる銀行」との評価が根強いが、店舗統廃合による利便性低下を懸念する層も一定数存在する。

一般に知られていない盲点とネットの誤解
「店舗削減=サービスの切り捨て」という印象がネット上で広がりやすいが、実際は「店舗内店舗方式」を採用し、口座番号や通帳をそのまま使える仕組みを徹底している。廃止店舗の顧客も、近隣の統合先で従来通り取引可能だ。また、郵便局内に手続き窓口を設置する試みも長崎県内で初めて導入されるなど、物理的な接点を完全になくすわけではない。
もう一つの誤解は「合併で独占が進み、競争がなくなった」というものだ。確かにメインバンクシェアは約8割に達するが、山川頭取は「シェアを伸ばすより他の金融機関と連携して共存共栄したい」と明言している。地域課題解決をビジネスとして掲げる方針は、他行との協業を前提にしたものだ。
山川頭取が語る今後の展望と長崎経済の課題
2026年3月期決算では、日銀の利上げを背景に資金利益が伸び、コア業務純益は306億円と過去最高水準を更新した。一方で中東情勢の緊迫化を受けた引当金積み増しなどで最終利益は169億円と微減。山川頭取は「将来に向けて備えができた、良い決算」と評価している。
しかし長崎経済の根本課題は残る。人口減少が続き、企業数や資金需要の拡大には限界がある。山川頭取は「デジタル化が進む中で、銀行は顧客の成長につながる役割が重要」と指摘。行員にコーチング研修を施し、潜在ニーズを掘り起こす「傾聴力」の強化を進めている。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
地方銀行の再編は、単なるコストカットではなく「地域の持続可能性をどう支えるか」という社会学的な問いを突きつける。長崎のように人口減少が先行する地域では、銀行が「過剰な店舗網」を抱え続けることが、かえって地域の資金循環を弱めるリスクがある。合併と店舗削減は、短期的な不便を許容してでも中長期の体力を確保する選択だった。
向いている人:長崎県内で事業を営み、メインバンクとして安定した関係を重視する企業経営者。デジタルバンキングを積極的に活用でき、対面相談を必要な時だけ求める個人。
慎重になるべき人:店舗窓口での対面取引を頻繁に必要とする高齢者層や、特定の小規模支店に依存していた利用者。統廃合後のアクセス環境を事前に確認した方がよい。

【十八親和銀行】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:十八親和銀行の店舗数は現在どのくらいですか?
A1:合併時の約185カ所から大幅に削減され、2025年末時点で100カ所前後(報道により103〜108カ所)となっています。店舗内店舗方式で利便性を維持しています。
Q2:山川信彦頭取はどんな人物ですか?
A2:旧親和銀行出身で2022年4月に頭取就任。両行の融和を推進した実務家として知られ、地域課題解決を軸に据えた経営を進めています。
Q3:合併で長崎経済にどんな影響がありましたか?
A3:財務強化によりリスクを取れる余力が生まれた一方、人口減少下での資金需要拡大には限界があり、デジタルシフトと他行連携が今後の鍵となります。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
十八親和銀行は合併5年で財務を確実に強化し、長崎県内で揺るぎない地位を築いた。店舗削減は「過剰な拠点を整理し、地域を支える体力を作る」ための合理的な選択だったと言える。2026年以降は、金利上昇の追い風を活かしつつ、デジタルと対面のバランスをどう取るかが焦点だ。
利用者としては、ネットバンキングやアプリを積極的に使いこなしつつ、重要な相談は対面で行う二刀流が現実的だろう。地域経済の衰退という大きな潮流の中で、銀行がどこまで「共創」を実践できるか。山川頭取の言葉通り、リスクを取って挑む姿勢が試される時期に入っている。 (出典: 18 親和 銀行(Yahoo!ニュース))